壁画10円の束をめくっていくと、たまに観音様の射るような眼差しに出会うときがあります。よく見ると、観音様の右眼、左眼、あるいは両眼が白眼になっています。ほんの少し印刷が掠れただけなのですが、人間は反射的に相手の眼の表情に鋭く反応するようにできています。「眼は口ほどに物を言う」というように、眼はコミュニケーションの要となっています。