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壁画10円の印面変種「居眠り観音」

   

 台切手の「法隆寺壁画」通称「観音」は、同図案の銭位切手を継いで1953年(昭和28)7月10日に発行され、次のソメイヨシノ10円(昭和36年6月15日発行)に引き継がれるまで、およそ8年間も使われました。膨大な発行量にもかかわらず、定常変種は報告されていませんが、印面バラエティとして「居眠り観音」の存在が知られています。これは文献によれば、印刷時に紙送りがスリップすることでその部分がいわゆる「寸詰まり」のように印刷されるためと説明されています。実際、大きなブロックでこの変種が横の段に生じることが確かめられています。

 面白いことに、スリップに程度の差があるらしく、左の2枚は深い眠りについていますが、右の2枚は眠さをこらえて必死に目を開けようとしているように見えます。この変種は1万枚に2,3枚程度といわれています。今回は万束2個から12枚見つかりました。

【文献】宮崎 幸二「第2次動植物国宝図案切手(円位)10円「眠り観音」とは何か」、『郵趣研究』112号、2013年。

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